08~09年秋冬コレクション・トレンドについて
「今シーズンは、やはりどのブランドも景気の動向を気にしているなと感じました」。その理由は、着やすく現実的なリアルクローズを提案するブランドが増えたことに表れている。半年前の春夏シーズンでは、アーティストの手描きの1点もののドレスなど芸術的な要素を取り入れた奇抜な服が多かったことと比べると、変化は歴然。「米国ではリセッション(recession=景気後退)という言葉が盛んに使われていますが、ブランド側もその対策にかじを切ったのがよく分かります」
ただ、実際に服を着る女性にとって「着やすい服」は歓迎すべき流れ。キリッと強い女性像と、ボリュームシルエットという大きな傾向は、1年前の秋冬コレクションと変わらないが、「リアルクローズの流れから、着やすいよう、軽やかなデザインに進化した」といえるのではないでしょうか。80年代のパワフルなイメージと近未来的なクールな感じに、女性らしいクラシックなテイストを一さじミックスしたのが、今シーズンの新しいトレンド。2年ほど前から続いたすっきりクリーンな服に少しずつ装飾が戻ってきた。
色は黒、グレー、白が基調。アイテムでは、ボリュームのある服に合わせるコートのバリエーションが豊富になったことと、温暖化の影響もあるのかベストを使った重ね着が増えた。また、好調なロシア市場を意識してか、東欧からロシアにかけてのイメージの民族調(フォークロア)を取り入れるデザイナーも目立つ。「ビッグボリュームのトレンドが続いたことでデザインがこなれ、今度の秋冬は着まわししやすい服がぐんと増えるはず」。ワードローブの大幅変更も必要なく、女性にとってはうれしいシーズンになりそう。フォークロア--ドルチェ&ガッバーナ/グッチ/ドリス・ヴァン・ノッテン
東欧やオリエンタル、スコットランドなどさまざまなイメージに、クラシックや80年代テイストをミックスする。ボリュームのあるファーのコートは、ロシア市場向け?
ニューボリューム--ステラ・マッカートニー/ランバン/ジル・サンダー
ボリュームシルエットが進化し着やすくなっている。上半身にボリュームをもたせ、下はミニ丈のタイトスカートや細身のパンツでメリハリをきかせる現実的なコーディネートも増えた。襟や袖を強調したコートや個性的なバックスタイルのドレスも目立った。
クールロマンチック--プラダ/クロエ/セリーヌ
装飾が戻ってきているが、今シーズンはクールで甘すぎないのが特徴。フリルや刺しゅうも控えめで、服地と同系色であしらわれている。50年代調のクラシックな服をみせたプラダもモノトーンのレースで抑制された女らしさを漂わせた。80’s--イヴ・サンローラン/バレンシアガ/マーク・バイ・マーク・ジェイコブス
強い女性像の象徴が80年代調。当時のパワフルな東京をイメージしたコレクションをみせたイヴ・サンローランが代表格。肩を強調したメンズ風ジャケット、タイトミニスカート、腰をふくらませたパンツなど大人には懐かしいアイテムだが、当時よりシルエットは小さめで洗練されている。ベストコーディネート--マルニ/DKNY/クリストファー・ケーン
ベストを使った重ね着も今シーズンの注目スタイル。パンツと合わせてマスキュリンに、ドレスと合わせて軽やかにとさまざま。ロング丈のベストのような袖なしコートも新しいアイテム。
上記を踏まえて今回、出張先であるパリにきてトレンドを取り入れている人がチラホラ見受けられ敏感なフランス人女性に関心しました。
ニューヨークコレクション’09春夏も要チェック≫ http://www.yomiuri.co.jp/collection/